仮面を被った私たち








ドンっ

走っていると誰かにぶつかってしまった

「大丈夫……って、四ノ宮さん?」

「如月君………
 ごめんなさい、怪我はないかしら?」

「大丈夫だよ
 四ノ宮さんこそ大丈夫?」

「えぇ…………

「………本当に?
 顔色悪いよ
 何かあった?」

「少し貧血かも
 保健室行くから桜庭先生に伝えといてもらえる?」

「一緒についてくよ
 一人じゃ危ない」

「一人で大丈夫よ
 心配してくれてありがとう
 桜庭先生によろしくね」


そして如月君と別れた






もちろん保健室なんかに行かない


行くのは屋上


今は一人になりたい




屋上は………普段誰も来ないから







「………本当に最悪
 なんなの、アイツ………」


予想通り、屋上には誰もいなかった

春の暖かい風が吹いている




この世界に………私の居場所はあるのかな………

お母さんを奪った罪…………この先一緒消えないし…………




お母さん………なんで私なんか庇ったんだろ









気づけば1時間目も始まっていた


























< 7 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop