仮面を被った私たち
「お前、何俺の授業サボってるんだよ」
はぁ…………せっかく良い気分だったのに
「なんか用?
まだ授業中でしょ」
「お前がサボってるから自習にしてきたんだよ
俺の授業サボって良いとでも思ってるのか?」
「別にアンタには関係ない
成績下げたければ下げれば?
私はそれでもいいからサボったの」
「お前っ!」
「触んないで!!」
アイツが触れる前に反射的に叫んだ
「触んないで…………もとはと言えばアンタのせいなんだから…………」
「………キスしたこと怒ってんのか?」
「……………………」
「悪かったって
お前、案外一途なんだな
彼氏以外とはしたくなかったか」
「そういう問題じゃない!!
今後一切、私に話しかけないで」
「それは無理かなー
だってお前は学級委員長だ、四ノ宮雅」
「はぁ?
意味分かんないだけど」
「俺の授業サボった罰だ
クラスの奴らに聞いても異議を唱える者はいなかった
よってお前が委員長だ
よろしくな」
「私はやるなんて言ってない」
「やれ
これは命令だ」
「いや」
そう言った瞬間、手首を掴まれ壁に押さえつけられた
「離して!」
「離してほしければやれ」
「分かった、やるから…………やるから離して…………」
はぁ…はぁ……怖い…………
押さえつけられると………昨日のことを思い出す………
ただでさえさっきので……………
「お前………何かあった?
その震え………」
「うるさい!
黙れクソ教師!!」
「………………あっそ
次の授業には戻れよ
この時間は見逃してやる」
そう言ってアイツは出て行った