ふぞろいなふたごは幼なじみを嗜む

涼くんはあしらっているのか、元気づけようとしてくれているのかわからなくて難しい。


まあでも、涼くんになにを言われようと、きっとわたしはこれからも恭くんに無責任な応援の言葉をかけて。


そのたびに言葉と心の乖離に悩まされて、傷ついて。


うしろめたく思っても、やっぱり応援を続けるんだろうな。


そんなの、涼くんの言うとおり、応援のふりと変わらない。


せめて、それを恭くんに悟られないようにしないと。



「わたしの事情は内緒にしてね。恭くんに絶対言わないで」

「言うかよ。俺だって……」

「ん?」

「いやなんでも」

「なによー、気になるじゃん」

「なんでもねぇって」


涼くんは、ごまかすようにわたしの鼻をつまんできた。


そういえばこれ、涼くんの昔の癖だ。

わたしを言葉でからかってばかりいたら……。


「涼花って子どもだね。すぐ口に出して言うのは子どもの証拠だよ」


恭くんに注意されて、それでもわたしをからかいたい涼くんがなんとか編み出した方法が、この鼻をつまむ攻撃。

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