ふぞろいなふたごは幼なじみを嗜む
今リビングにはわたしと恭くんだけ。
気晴らしにと思って点けたテレビを消しちゃったから、静かな空間に恭くんとふたり、取り残される。
わざわざ話があると呼びつけられることってそんなにないから、なんだか緊張しちゃう。
ふわふわのソファーでは、地に足が着いてないような気がして心許ない。
「弟の涼花、覚えてる?」
どうやら話は涼くんのことらしい。
ちょっと残念なような、もっと身が引き締まるような。
姿勢を正してから答える。
「覚えてるよ。恭くんのお父さんとお母さんが離婚したときに一緒に出ていって、たしかおばあちゃんの家にいるんだよね。中二のときだったから……もう三年になるんだ」
「おれはちょくちょく連絡とってたんだけど、二年になってからは一切返事をよこさなくなったな」
「そうだったんだ。涼くん、元気にしてるのかな」
離婚を認められなくて出ていった涼くん。
今年の春に恭くんのお父さんが再婚したから、もしかしたら連絡がとれなくなったのはそのせいもあるかもしれない。
「そのことなんだけど……ちょっとこれを見てほしいんだ」