ふぞろいなふたごは幼なじみを嗜む
沈んだ気持ちでポスターを眺めていると、突然、うしろから肩を掴まれた。
そして、無理やり向きを変えさせられたかと思うと、次の瞬間には左頬に痛みが走っていた。
「……は?」
なにが起こったのかわからなくて困惑が素直に声となって出たわたしの目には、同い年くらいの女の子が映っている。
紫のインナーカラーのロングヘアをハーフツインテールにする女の子。
彼女は中学のときに修学旅行で見た金剛力士像のような顔をしていて、一目で怒っているのだとわかった。
「おまえだろ、あたしからすーかを奪ったやつ!」
そう耳元で叫ばれて、ようやく、わたしは今この子に頬を叩かれたのだと理解した。
突然の大声に、周りにいた人たちが何事かとざわざわし始めるけど、彼女は周りが見えていないのか、わたしに掴みかかってきた。
「あたしのすーかを返せよブス!」
「──痛ッ!」
押し倒されて、髪を引っ張られる。
「どこにやったんだよ! 返せよ!」
「離してっ」