ふぞろいなふたごは幼なじみを嗜む

今はもう昔の仲間に会ってないみたいだけど、S地区にいた頃は女の子ともふつうに仲良くしてるみたいだったから、きっとそういうのに付き合わされてきたんだろうな。


わたしはまわりに恭くんしか男子がいなくて、恭くんと出かけることってほとんどなかったから、男子とふたりでショッピングの経験がない。

涼くんが大人に見えて、ちょっと悔しい。



「なにか飲みもん買ってくる?」


このカフェは、会計も商品の受け渡しもカウンターで済ませるシステム。

ちょっと混雑してきたカウンターを指して尋ねた。


「まだここにいる?」


質問したのに質問で返されてしまった。


「どっちでもいいよ。涼くんがいたければいるし、すぐ出るならわたしの買い物時間が増えてうれしい」

「感想は訊いてねぇよ。なら門限までずっといるか」

「それ、遠回しにショッピングを回避しようとしてる?」

「してる」


むう、なんだと。
そんなに嫌か、わたしのショッピングに付き合うの。


「じゃあ、これ飲み終わったら行くよ」

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