ふぞろいなふたごは幼なじみを嗜む

これとは、この店に居座るために買ったアイスティー。

残り三分の一だから、ゆっくりしても五分とかからないだろう。




と、思っていたのだけれど……。


「すぐ飲まねぇなら俺にちょうだい」

「いいけど。そんなにのど乾いて」


──るなら、ゆっくりしていってもいいよ。

そう言おうと思ったのに、言い終わるまえに涼くんがマスクをとって、グラスのアイスティーを飲み干してしまった。


「にがっ。茶じゃねぇじゃん」


表情をゆがめる涼くん。
麦茶かなんかだと思って飲んだの?


「ティーだよティー。紅茶」

「先に言えし」

「言うまえに飲み干しちゃったんでしょーが」


ていうか……。


「のど乾いてたの? なら、ゆっくりしていこうよ」

「べつに乾いてないけど」

「それ飲み干しといて?」

「絢音が言ったんだろ。すぐ出るならうれしいって」

「えっ……」


それって、早くショッピングに行けるよう、グラスの中身をなくしてくれたってこと?

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