ふぞろいなふたごは幼なじみを嗜む
……いや。たぶん、紛うことなく本気なんだろう。
現況がそれを物語っている……けど。
触れているところが、灼熱の太陽に肌を焦がされるみたいに、ひりりと痛くて熱い。
後先考えない誘惑の言葉が耳に残って、思考回路をぐるぐると酔わされる。
素直に受けとめきれない自分がいる。
どこかで冗談だと望むことで、平静を必死に保っている。
……わたし、まだ涼くんにドキドキしたくない。
そのままエスカレーターが到着してなし崩しに離れてくれたけれど、涼くんのスイッチが確実に入ったことだけは感じとってしまった。