ふぞろいなふたごは幼なじみを嗜む
口が堅いとは言っていたけど、やっぱり話すべきじゃなかったと今さらながら後悔。
「ちゃんと本当のことを話すから大丈夫だよ」
番組を観ないでとお願いしたとはいえ、おれと望愛のことはいずれ絢音の耳に入るだろう。
だけど、ちゃんと説明すればわかってくれるはず。
好きで付き合ったわけじゃないことを──。
「ほんとかなぁ。そういうの割りきれる人って、あんまいないよ。一般人ならなおさら」
「おれの心配より、自分の心配すれば? おれを足がかりにするんだから、ちゃんと叶えてよ夢」
「うっさいなぁ。わかってるよ」
むうっと頬をふくらます望愛の反応から察するに、まだ道は見えてないらしい。
これからだし、と言い訳する望愛を無視して、おれは席を立った。