ふぞろいなふたごは幼なじみを嗜む
目撃情報を放置するにしろ、涼くんの存在を公表するにしろ、根本的なところで対策をとらないと本当の解決とは言えない。
涼くんが危ない街に出入りするかぎり、恭くんに安泰な芸能生活は訪れないのだから。
なら、わたしになにができるか。
思いついたのが、涼くんの更生。
涼くんを、三人で仲良くしていた頃に戻す。
それがわたしの良い考え。
まあ、“良い”は恭くんを安心させるために言っただけで、正直、不安しかない。
昼はふつうの街とはいえ、初めて足を踏みいれるところだし。
涼くんがわたしの言葉を素直に聞いてくれるとは思えないし。
でも、恭くんのため。やるしかない。