ミーコの願い事
「ミーコ、花壇の側でサンドイッチが食べたい」
突然の言葉に驚きました。
「ミーコ、駄目でしょう」
予定を立てている杉田さんの行為を無駄にしてはいけないと思い、ミーコに注意しました。
「だって、お店より花壇の方が楽しいよー」
杉田さんはその言葉に、気づいたかのように視線を逸らします。
ミーコのワガママに、がっかりしていると思い謝ろうとすると、私の想像とは違う笑顔になっていました。
「いいねーミーコちゃん、それ最高だよー」
杉田さんはジャケット脱ぎ、はつらつと話します。
「この近くにおばちゃんがやっているパン屋が有って、そこのサンドイッチが美味しいんだー。すぐ買ってくるからちょっと待っていて」
杉田さんはジャケットをベンチに置くと、待っていてと言わんばかりに、私達を気にしながら走っていきます。
その行動を見て杉田さんに対する自分の気持ちが、わかったような気がしました。
私は自分に正直な杉田さんのことを、尊敬しているのだと思います。
その日の私達は、色々な話をしました。
好きなもの、嫌いなもの、内容はほんの些細なとても小さなことばかりです。
「ミーコちゃんのノート、最初から見てもいいですか?」
手渡すと、ミーコのいるページも少し開けながら見始めました。
杉田さんはノートに描かれた風景を見ながら、時折ミーコと会話をしています。
「ミーコちゃんこの観覧車、デパートの上に有るやつでしょう」
「そうだよ、ミーコ、花壇の次に好きなやつだよ」
三人でする会話はとても自然で、まるで幼い頃の景色を呼び覚ますようでした。
杉田さんはノートの中に何回か描かれている花を見つけると、気付いたかのように話します。
「この花。ブーゲンビリアですよね」
その言葉に嬉しくなると、華やいだ気持ちで問いかけました。
「杉田さん。ブーゲンビリアを知っているんですか?」
杉田さんは、照れるような笑顔を見せ話します。
「僕、高校大学と、花屋でバイトしていたんですよ」
意外な経歴に驚きました。
「ブーゲンビリアは、花言葉が良い意味しか無く、贈り物で喜ばれる花なんですよね、確か情熱だったかな?」
自分の好きな花に、そんな良い意味が有るとは知らなかったので、噛み締めるように、嬉しくなりました。
ミーコも自分のスケッチブックに描かれたブーゲンビリアを、杉田さんに見せています。
すると、今度は思い出したように話します。
「このノートの背表紙にも、花の絵が描かれていますよね」
ノートを少し持ち上げ、覗き込むように見ています。
突然の言葉に驚きました。
「ミーコ、駄目でしょう」
予定を立てている杉田さんの行為を無駄にしてはいけないと思い、ミーコに注意しました。
「だって、お店より花壇の方が楽しいよー」
杉田さんはその言葉に、気づいたかのように視線を逸らします。
ミーコのワガママに、がっかりしていると思い謝ろうとすると、私の想像とは違う笑顔になっていました。
「いいねーミーコちゃん、それ最高だよー」
杉田さんはジャケット脱ぎ、はつらつと話します。
「この近くにおばちゃんがやっているパン屋が有って、そこのサンドイッチが美味しいんだー。すぐ買ってくるからちょっと待っていて」
杉田さんはジャケットをベンチに置くと、待っていてと言わんばかりに、私達を気にしながら走っていきます。
その行動を見て杉田さんに対する自分の気持ちが、わかったような気がしました。
私は自分に正直な杉田さんのことを、尊敬しているのだと思います。
その日の私達は、色々な話をしました。
好きなもの、嫌いなもの、内容はほんの些細なとても小さなことばかりです。
「ミーコちゃんのノート、最初から見てもいいですか?」
手渡すと、ミーコのいるページも少し開けながら見始めました。
杉田さんはノートに描かれた風景を見ながら、時折ミーコと会話をしています。
「ミーコちゃんこの観覧車、デパートの上に有るやつでしょう」
「そうだよ、ミーコ、花壇の次に好きなやつだよ」
三人でする会話はとても自然で、まるで幼い頃の景色を呼び覚ますようでした。
杉田さんはノートの中に何回か描かれている花を見つけると、気付いたかのように話します。
「この花。ブーゲンビリアですよね」
その言葉に嬉しくなると、華やいだ気持ちで問いかけました。
「杉田さん。ブーゲンビリアを知っているんですか?」
杉田さんは、照れるような笑顔を見せ話します。
「僕、高校大学と、花屋でバイトしていたんですよ」
意外な経歴に驚きました。
「ブーゲンビリアは、花言葉が良い意味しか無く、贈り物で喜ばれる花なんですよね、確か情熱だったかな?」
自分の好きな花に、そんな良い意味が有るとは知らなかったので、噛み締めるように、嬉しくなりました。
ミーコも自分のスケッチブックに描かれたブーゲンビリアを、杉田さんに見せています。
すると、今度は思い出したように話します。
「このノートの背表紙にも、花の絵が描かれていますよね」
ノートを少し持ち上げ、覗き込むように見ています。