ミーコの願い事
浴衣を着ることが出来た以上に、みんなと楽しんでいる自分がとても嬉しく感じました。
「お待たせ、もう男性陣も着替えて大丈夫よ」
最後に社長が出てくると、とても華やかで驚いてしまいました。
着ていた浴衣の柄は、社長の雅やかなイメージとは違い、赤と白と黒を使用した複雑な幾何学模様のものでした。
帯も緑色で私達の中で一番目立っていたかもしれません。
社長の凛としている気持ちが、華やかな浴衣を着こなしているように思えます。
「社長凄いですね」
森川さん達は社長の側に寄って行き、浴衣のデザインを見ていました。
男性の方たちも着替え終わると社長は、全員を見渡し言葉をかけます。
「皆さん準備が出たようなので、行きますか」
社長を先頭に、私達はお祭りに出かけていきました。
お祭りが有る神社に向かう途中、会社近くの商店街を抜けていきます。
お祭りの日であることから、露店を出しているお店もあり、活気に満ちていました。
社員一同で練り歩くと、周りの視線が集まりヒソヒソと話す声や、声をかけてくる人もいます。
「橘さんとこの社員の人達だ」「今年も華やかだなー」
そんな声が聞こえる中、堂々と歩く社長達は圧巻でした。
特に鈴野さんは容姿も綺麗なことから、男性達のため息のような声も聞こえてきます。
「あーあの子だよ、相変わらず綺麗だよなー」「嫁に着てくれないかなー」
中には高校生ぐらいの男の子達も鈴野さんを見て、顔を赤らめてしまうほどです。
神社の入り口に着くと、人で溢れていました。
歩幅も短くなり、交通整理をする警察の方の笛の音が、賑わいを強調させます。
私はずいぶん人が集まったと驚きながら見ていると、その中に視線を外せなくなるほど、上品に浴衣を着た女性が三人居ました。
「何かあの人達雰囲気ありますねー」
杉田さんも気になり、高木さんに話しています。
女性の方達は私達に気づくと、近づき話しかけてきました。
「橘デザインの方達ですね、初めまして」
声をかけてきたのは、五十代位の女性でした。
近くによると、私達と何かが違います。
足元も足袋を履いているし、あれ、浴衣ではなく着物だ。
すると桜井さんと石井さんが、気付いたかのように喋っています。
「白百合呉服店の人達じゃない」
白百合呉服店は私達の会社からほど近い場所にある、高級住宅地の人達が利用する、老舗の着物販売会社です。
扱うものは高級な品物ばかりで、気軽に近寄れないお店です。
社長は丁寧に頭を下げ、その方達に挨拶をしました。
「白百合呉服店の方ですか、初めまして代表を努めます橘です」
相手の方は、大へいな態度で答えます。
「ずいぶん素敵なデザインの浴衣をお召しになっていると評判なので、少し足を運んでみたのですが、素敵と言いますか、かなり個性的ですね」
そう言いながら私達を、冷めた目で見渡しています。
「お待たせ、もう男性陣も着替えて大丈夫よ」
最後に社長が出てくると、とても華やかで驚いてしまいました。
着ていた浴衣の柄は、社長の雅やかなイメージとは違い、赤と白と黒を使用した複雑な幾何学模様のものでした。
帯も緑色で私達の中で一番目立っていたかもしれません。
社長の凛としている気持ちが、華やかな浴衣を着こなしているように思えます。
「社長凄いですね」
森川さん達は社長の側に寄って行き、浴衣のデザインを見ていました。
男性の方たちも着替え終わると社長は、全員を見渡し言葉をかけます。
「皆さん準備が出たようなので、行きますか」
社長を先頭に、私達はお祭りに出かけていきました。
お祭りが有る神社に向かう途中、会社近くの商店街を抜けていきます。
お祭りの日であることから、露店を出しているお店もあり、活気に満ちていました。
社員一同で練り歩くと、周りの視線が集まりヒソヒソと話す声や、声をかけてくる人もいます。
「橘さんとこの社員の人達だ」「今年も華やかだなー」
そんな声が聞こえる中、堂々と歩く社長達は圧巻でした。
特に鈴野さんは容姿も綺麗なことから、男性達のため息のような声も聞こえてきます。
「あーあの子だよ、相変わらず綺麗だよなー」「嫁に着てくれないかなー」
中には高校生ぐらいの男の子達も鈴野さんを見て、顔を赤らめてしまうほどです。
神社の入り口に着くと、人で溢れていました。
歩幅も短くなり、交通整理をする警察の方の笛の音が、賑わいを強調させます。
私はずいぶん人が集まったと驚きながら見ていると、その中に視線を外せなくなるほど、上品に浴衣を着た女性が三人居ました。
「何かあの人達雰囲気ありますねー」
杉田さんも気になり、高木さんに話しています。
女性の方達は私達に気づくと、近づき話しかけてきました。
「橘デザインの方達ですね、初めまして」
声をかけてきたのは、五十代位の女性でした。
近くによると、私達と何かが違います。
足元も足袋を履いているし、あれ、浴衣ではなく着物だ。
すると桜井さんと石井さんが、気付いたかのように喋っています。
「白百合呉服店の人達じゃない」
白百合呉服店は私達の会社からほど近い場所にある、高級住宅地の人達が利用する、老舗の着物販売会社です。
扱うものは高級な品物ばかりで、気軽に近寄れないお店です。
社長は丁寧に頭を下げ、その方達に挨拶をしました。
「白百合呉服店の方ですか、初めまして代表を努めます橘です」
相手の方は、大へいな態度で答えます。
「ずいぶん素敵なデザインの浴衣をお召しになっていると評判なので、少し足を運んでみたのですが、素敵と言いますか、かなり個性的ですね」
そう言いながら私達を、冷めた目で見渡しています。