ミーコの願い事
会社についてからも、ふとした時にミーコの言葉と寝ぼけ顔が思い出され、ニヤけてしまいます。
いけない! 仕事中に一人笑っていたら、変だと思われてしまう。
冷静な気持ちを取り戻すため、顔を下に向け目を閉じました。
何も可笑しくないと心の中で自分に言い聞かせていると、不思議なくらい先ほどの気持ちは消え、可笑しかった意味もわからなくなっていました。
良かった、もう大丈夫です。
顔を上げしばらく仕事をしていると、一体何が可笑しかったのかわからなくなっていました。
逆に先ほどまでの私が変だと感じ始め、気になるほどです。
確かにミーコが目をつむり、ゆれていたのはこっけいに思えました。
そしてあの言葉、やっつけたのは、私が戦っているようです。
そうだっ、そうだった。
理由を理解すると、再び顔が緩んでしまいます。
何で考えてしまったのだろう。
そんなことを思い表情がバレないよう、下を向きました。
「どうしたの?」
隣から、森川さんの声が聞こえます。
やはり、不自然な挙動だったのだと思います。
私は混み上がる可笑しさを押え、返事をしました。
「いえ、フッフッ、なんでもありません」
少し顔を上げるも見られたくないあまり、森川さんの反対側を向き答えます。
「ふーん、ならいいけど」
幸いにも、挙動不審な私に、それほど気にしてない様子でした。
「あっ、専務それ」
森川さんは、違うことに意識がいったようです。
私はその言葉に安心をすると、頭の中のミーコの言葉は消え、通常どおりの日常音だけが聞こえ始めました。
顔の緩みも治り、先ほどの可笑しさは消えていました。
違うことに気を取られたおかげで、何とか持ちこたえることが出来たようです。
仕事を頑張らなきゃ。もう考えないようにします。
気持ちを切り替え伝票整理の仕事をしていると、私のたたく電卓の音の合間に、森川さんと専務の会話が聞こえてきます。
仕事の内容だと思われるのですが、所々しか耳に入らないためさほど気になりませんでした。
無意識のまま顔を上げ二人を見ると、そのタイミングで森川さんの言葉が聞こえました。
「や’っ’ぱ’、付’け’た’の’」
あれ?
ミーコと類似する発言に驚き、二人に顔を向けていました。
そして森川さんは繰り返します。
「そーや’っ’ぱ’、付’け’た’の’」
朝の言葉がよみがえると、私は顔を下に向け、笑わないようにこらえていました。
そんな状況でありながらも、一体何をつけたのでしょうか?
イケないと思いながらも興味がわいてしまい、二人を見てしまいました。
専務は会社の鍵に付けたキーホルダーを、自慢げに顔の前に差し出すと、森川さんは目で数えるように見て話しました。
「すごーい、八’つ’も’付’け’た’の’」
その会話を聞こえると、私はさらに可笑しくなり、その場を逃げるように離れました。
いけない! 仕事中に一人笑っていたら、変だと思われてしまう。
冷静な気持ちを取り戻すため、顔を下に向け目を閉じました。
何も可笑しくないと心の中で自分に言い聞かせていると、不思議なくらい先ほどの気持ちは消え、可笑しかった意味もわからなくなっていました。
良かった、もう大丈夫です。
顔を上げしばらく仕事をしていると、一体何が可笑しかったのかわからなくなっていました。
逆に先ほどまでの私が変だと感じ始め、気になるほどです。
確かにミーコが目をつむり、ゆれていたのはこっけいに思えました。
そしてあの言葉、やっつけたのは、私が戦っているようです。
そうだっ、そうだった。
理由を理解すると、再び顔が緩んでしまいます。
何で考えてしまったのだろう。
そんなことを思い表情がバレないよう、下を向きました。
「どうしたの?」
隣から、森川さんの声が聞こえます。
やはり、不自然な挙動だったのだと思います。
私は混み上がる可笑しさを押え、返事をしました。
「いえ、フッフッ、なんでもありません」
少し顔を上げるも見られたくないあまり、森川さんの反対側を向き答えます。
「ふーん、ならいいけど」
幸いにも、挙動不審な私に、それほど気にしてない様子でした。
「あっ、専務それ」
森川さんは、違うことに意識がいったようです。
私はその言葉に安心をすると、頭の中のミーコの言葉は消え、通常どおりの日常音だけが聞こえ始めました。
顔の緩みも治り、先ほどの可笑しさは消えていました。
違うことに気を取られたおかげで、何とか持ちこたえることが出来たようです。
仕事を頑張らなきゃ。もう考えないようにします。
気持ちを切り替え伝票整理の仕事をしていると、私のたたく電卓の音の合間に、森川さんと専務の会話が聞こえてきます。
仕事の内容だと思われるのですが、所々しか耳に入らないためさほど気になりませんでした。
無意識のまま顔を上げ二人を見ると、そのタイミングで森川さんの言葉が聞こえました。
「や’っ’ぱ’、付’け’た’の’」
あれ?
ミーコと類似する発言に驚き、二人に顔を向けていました。
そして森川さんは繰り返します。
「そーや’っ’ぱ’、付’け’た’の’」
朝の言葉がよみがえると、私は顔を下に向け、笑わないようにこらえていました。
そんな状況でありながらも、一体何をつけたのでしょうか?
イケないと思いながらも興味がわいてしまい、二人を見てしまいました。
専務は会社の鍵に付けたキーホルダーを、自慢げに顔の前に差し出すと、森川さんは目で数えるように見て話しました。
「すごーい、八’つ’も’付’け’た’の’」
その会話を聞こえると、私はさらに可笑しくなり、その場を逃げるように離れました。