ミーコの願い事
このノートを持っている私は、変な人だと思われているのだろうか?
やはり人と接していると、必要以上に悩み事が増えてしまう。
そんなことを考え体温計を見ると、普段より少し高い数値を指していました。
私は安心しました。
それを理由に、休めると思うズルい考えがあったからです。
ズルいこととわかっていながらも、熱が高いことを正当化する私は、森川さんが出勤する時間を考えてから、会社に電話をかけていました。
電話先では、森川さんの心配してくれる優しい声が、心に突き刺さります。
受話器を置いた後は更に、自分に質問を投げかけていました。
本当に会社を休むほどの、熱だったのだろうか?
杉田さんに顔を合わすのを先延ばしにしたことで、余計に合わせづらくなるのではないか?
杉田さんの立場になって考えたら、私が休むことによって自分をせめてしまうかもしれません。
窓の外は昨日までの雨は止み、明るい日差しが窓を照らしています。
学校へ向かう子供達の声が楽しそうに聞こえ、まるで私だけ時間から取り残された気持ちにさせます。
逃げ出し始めた自分が、惨めに感じました。
弱気になった私は、ミーコにすがるような思いで、ノートに目を移しました。
ノートの中ではミーコがスケッチブックに、何かの絵を描いているようです。
なんだろう? 何の絵だろう?
今日はまだミーコの部屋しか描いていないので、何を描いているのかわかりませんでした。
改めて見たその絵は、人の形をしていて、顔は獣のようでした。
何だろうこの絵! なんて奇妙なの。
ミーコの表情を確認すると、取りつかれたかのように一心不乱な状態です。
ひょっとして私の心の醜さを、絵として描き上げているの?
そんなことを考え、恐怖を覚え見つめていました。
描き上がって行くその絵からは、喜怒哀楽の一つも感じ取れません。
悍(おぞ)ましい生き物のようです。
嫌だ、私そんなに冷たく写ってしまっているの?
私の呼吸も荒くなり、慌ててミーコに問いかけました。
「やめてミーコ、一体何を描いているの!」
ミーコは振り返り表情変えずに、話します。
「猫の友達」
その言葉に理解しようと、少し時間がかかりました。
「そうだ遊園地のキャラクター」
やはり人と接していると、必要以上に悩み事が増えてしまう。
そんなことを考え体温計を見ると、普段より少し高い数値を指していました。
私は安心しました。
それを理由に、休めると思うズルい考えがあったからです。
ズルいこととわかっていながらも、熱が高いことを正当化する私は、森川さんが出勤する時間を考えてから、会社に電話をかけていました。
電話先では、森川さんの心配してくれる優しい声が、心に突き刺さります。
受話器を置いた後は更に、自分に質問を投げかけていました。
本当に会社を休むほどの、熱だったのだろうか?
杉田さんに顔を合わすのを先延ばしにしたことで、余計に合わせづらくなるのではないか?
杉田さんの立場になって考えたら、私が休むことによって自分をせめてしまうかもしれません。
窓の外は昨日までの雨は止み、明るい日差しが窓を照らしています。
学校へ向かう子供達の声が楽しそうに聞こえ、まるで私だけ時間から取り残された気持ちにさせます。
逃げ出し始めた自分が、惨めに感じました。
弱気になった私は、ミーコにすがるような思いで、ノートに目を移しました。
ノートの中ではミーコがスケッチブックに、何かの絵を描いているようです。
なんだろう? 何の絵だろう?
今日はまだミーコの部屋しか描いていないので、何を描いているのかわかりませんでした。
改めて見たその絵は、人の形をしていて、顔は獣のようでした。
何だろうこの絵! なんて奇妙なの。
ミーコの表情を確認すると、取りつかれたかのように一心不乱な状態です。
ひょっとして私の心の醜さを、絵として描き上げているの?
そんなことを考え、恐怖を覚え見つめていました。
描き上がって行くその絵からは、喜怒哀楽の一つも感じ取れません。
悍(おぞ)ましい生き物のようです。
嫌だ、私そんなに冷たく写ってしまっているの?
私の呼吸も荒くなり、慌ててミーコに問いかけました。
「やめてミーコ、一体何を描いているの!」
ミーコは振り返り表情変えずに、話します。
「猫の友達」
その言葉に理解しようと、少し時間がかかりました。
「そうだ遊園地のキャラクター」