ミーコの願い事
「ミーコ聞いた今の話、喧嘩だって怖いねー」
「目が鋭いってこんな感じかなー」
ミーコは目尻を指で、吊り上げるように引っ張っています。
興奮する会話の中、私達の前を見慣れた人が通りすぎました。
意識すると、私は目で探していました。
その方は、駅の壁に書いてある地図を眺めているようです。
「あれ、今前を通った人、桜井さんかな?」
一瞬だったのと、キャスケットの帽子をかぶっていたので、確信が持てません。
服装も紺色のシャツに黒いタイトなジーンズ、革を使用した編み上げの青いブーツを履いています。
一見男性にも見える服装ですが、雰囲気は桜井さんのようです。
普通この場合、気兼ねなく声をかけるのでしょうか?
でも、もし違う人だったら恥ずかしいから、ちゃんと確認してからの方が?
いや、違う人だったら、なおさらジロジロ見るのは失礼だし。
私は考えた結果、その人に背を向けノートを開き、ミーコに見てもらうことにしました。
「ミーコあの帽子の人、桜井さんだよねー」
ミーコは覗くようにその方を確認した後、私のことを見つめ笑いながら答えます。
「サクライさんって誰だっけ?」
少しの間ミーコと微笑み会っていましたが、再びその方に目を向けました。
あれ、どこ行ったんだろう?
辺りを見渡すと桜井さんらしきその人物は、駅周辺の商店街の方へ歩き出しています。
私は慌てて後を追いました。
側に寄り確認すると、帽子でいつもとイメージが違いましたが、間違いなく桜井さんです。
思い切って、しゃべりかけようと決意しました。
ボーリングの時のお礼を言わなきゃ、イヤ、さかのぼれば入社当時のお礼を。
そう思いながらも私は、桜井さんのすぐ後ろを歩き、かける言葉を考えていました。
まず初めに、何て声をかけよう? オウソドックスにこんにちはかな? それとも駅で事故が有ったみたいですねーかな。
悩みながら気がつくと、商店街を数十メートルも歩いています。
すると桜井さんはあるお店の前で立ち止まり、誰かを見ているようです。
私はとっさに、電信柱の陰に隠れてしまいした。
どうしたんだろう?
桜井さんを見ると、目線の先には大柄で強そうな男の人が、桜井さんをまばたきもせずに見ています。
「この男の人。佐々木屋さんのご主人」
「目が鋭いってこんな感じかなー」
ミーコは目尻を指で、吊り上げるように引っ張っています。
興奮する会話の中、私達の前を見慣れた人が通りすぎました。
意識すると、私は目で探していました。
その方は、駅の壁に書いてある地図を眺めているようです。
「あれ、今前を通った人、桜井さんかな?」
一瞬だったのと、キャスケットの帽子をかぶっていたので、確信が持てません。
服装も紺色のシャツに黒いタイトなジーンズ、革を使用した編み上げの青いブーツを履いています。
一見男性にも見える服装ですが、雰囲気は桜井さんのようです。
普通この場合、気兼ねなく声をかけるのでしょうか?
でも、もし違う人だったら恥ずかしいから、ちゃんと確認してからの方が?
いや、違う人だったら、なおさらジロジロ見るのは失礼だし。
私は考えた結果、その人に背を向けノートを開き、ミーコに見てもらうことにしました。
「ミーコあの帽子の人、桜井さんだよねー」
ミーコは覗くようにその方を確認した後、私のことを見つめ笑いながら答えます。
「サクライさんって誰だっけ?」
少しの間ミーコと微笑み会っていましたが、再びその方に目を向けました。
あれ、どこ行ったんだろう?
辺りを見渡すと桜井さんらしきその人物は、駅周辺の商店街の方へ歩き出しています。
私は慌てて後を追いました。
側に寄り確認すると、帽子でいつもとイメージが違いましたが、間違いなく桜井さんです。
思い切って、しゃべりかけようと決意しました。
ボーリングの時のお礼を言わなきゃ、イヤ、さかのぼれば入社当時のお礼を。
そう思いながらも私は、桜井さんのすぐ後ろを歩き、かける言葉を考えていました。
まず初めに、何て声をかけよう? オウソドックスにこんにちはかな? それとも駅で事故が有ったみたいですねーかな。
悩みながら気がつくと、商店街を数十メートルも歩いています。
すると桜井さんはあるお店の前で立ち止まり、誰かを見ているようです。
私はとっさに、電信柱の陰に隠れてしまいした。
どうしたんだろう?
桜井さんを見ると、目線の先には大柄で強そうな男の人が、桜井さんをまばたきもせずに見ています。
「この男の人。佐々木屋さんのご主人」