ミーコの願い事
以前営業の高木さんが一方的に話していたのですが、そのお店のご主人は若い頃、凄く不良だったそうです。
現在では大人になり性格も丸くなったそうで、態度の悪い学生を見るとお説教をするほどの、教育熱心に変わったそうです。
お店の前に立つ桜井さんを見て、先ほどの駅での会話を思い出していました。
駅で噂された目の鋭い人、それは桜井さんではないかと。
今も昔のスケ番を思い出し、勝負を挑みにきたのではないかと。
私はそんなことを思い、ミーコに相談していました。
「どうしようミーコ、駅に居た目の鋭い人って桜井んかも」
「見せてー見せてー、鋭い人見せてー」
私とミーコはハラハラしながら二人を見ていると、桜井さんは沈黙の後、その男の人に向けて指をさし出ししゃべり始めました。
「メンチ……」
私は驚きました。
その言葉も、高木さんに一方的に教えてもらった不良用語。メンチを切るとか言う言葉だと思い出したからです。
お店のご主人は真剣な表情を浮かべ、桜井さんから目を離しません。
桜井さんは差し出した二本の指を、ゆっくり開きます。
「……カツふたっつ下さい」
お店のご主人は笑顔をみせると、愛想良く答えます。
「あいよーメンチカツ二つ、百六十円で四十万円のお釣り」
とても気のいいおじさんでした。
佐々木屋さんがお肉屋さんであることを、すっかり忘れていました。
「ごめんミーコ、私の勘違いだったみたい。普通お肉屋さんでメンチって言ったら、メンチカツだよね」
ミーコも目をつむると、息をふーっと吐き出しています。
「なーんだ、お母さんの勘違いかー」
私達は安心して笑っていました。
会話の中、ミーコがこんなことをしゃべりました。
「でも桜井さん、なんで長い棒を、持っているんだろうね」
その言葉が気になり慌てて見ると、左手には長い棒のようなものを持っています。
私も不思議と思い、声に出していました。
「ミーコ、長い棒って何に使うかな?」
その質問にミーコは、元気よく答えます。
「スイカ割りー」
手の平を握り、上げています。
頭の中では、棒はスイカを叩く物、棒は叩く物、桜井さんは叩く物を持参していると、展開していきました。
私は嫌な予感がし、そのまま桜井さんの後をつけることにしました。
現在では大人になり性格も丸くなったそうで、態度の悪い学生を見るとお説教をするほどの、教育熱心に変わったそうです。
お店の前に立つ桜井さんを見て、先ほどの駅での会話を思い出していました。
駅で噂された目の鋭い人、それは桜井さんではないかと。
今も昔のスケ番を思い出し、勝負を挑みにきたのではないかと。
私はそんなことを思い、ミーコに相談していました。
「どうしようミーコ、駅に居た目の鋭い人って桜井んかも」
「見せてー見せてー、鋭い人見せてー」
私とミーコはハラハラしながら二人を見ていると、桜井さんは沈黙の後、その男の人に向けて指をさし出ししゃべり始めました。
「メンチ……」
私は驚きました。
その言葉も、高木さんに一方的に教えてもらった不良用語。メンチを切るとか言う言葉だと思い出したからです。
お店のご主人は真剣な表情を浮かべ、桜井さんから目を離しません。
桜井さんは差し出した二本の指を、ゆっくり開きます。
「……カツふたっつ下さい」
お店のご主人は笑顔をみせると、愛想良く答えます。
「あいよーメンチカツ二つ、百六十円で四十万円のお釣り」
とても気のいいおじさんでした。
佐々木屋さんがお肉屋さんであることを、すっかり忘れていました。
「ごめんミーコ、私の勘違いだったみたい。普通お肉屋さんでメンチって言ったら、メンチカツだよね」
ミーコも目をつむると、息をふーっと吐き出しています。
「なーんだ、お母さんの勘違いかー」
私達は安心して笑っていました。
会話の中、ミーコがこんなことをしゃべりました。
「でも桜井さん、なんで長い棒を、持っているんだろうね」
その言葉が気になり慌てて見ると、左手には長い棒のようなものを持っています。
私も不思議と思い、声に出していました。
「ミーコ、長い棒って何に使うかな?」
その質問にミーコは、元気よく答えます。
「スイカ割りー」
手の平を握り、上げています。
頭の中では、棒はスイカを叩く物、棒は叩く物、桜井さんは叩く物を持参していると、展開していきました。
私は嫌な予感がし、そのまま桜井さんの後をつけることにしました。