あきらめないで、生きること。
第1章

憧れの女子校生活



高校1年生、4月。

今日からわたしは新しいわたしになる。

初めて知りあう子たちと、新たな人間関係を築いていく。

大丈夫かな。大丈夫だよね。

自分に言い聞かせながら、緑野(みどりの)女子学院の正門をくぐる。

今日は高校の入学式。

第一志望の高校に推薦で合格したわたしは、晴れて花の女子高生になる。

真新しい制服を着た女の子たちが、保護者と一緒に正門から続く並木道を歩いている。

中学時代ブレザーだった制服は、冬はジャンパースカート、夏はセーラー服。

特にセーラー服を着るのは憧れだったから、今から夏服の季節が待ち遠しい。

それにしても、女子校だから当たり前だけれど本当に見渡す限り女の子しかいない。

地元の男女共学中学に通っていたわたしにとっては、やっぱり新鮮な光景だ。

校舎の前まで行くと、先生達がクラス分けのプリントを配っていた。

この学校はクラス分けを掲示板に貼り出すのではなく、先生がプリントを配るシステムらしい。
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