あきらめないで、生きること。
昼休みや休み時間、雪ちゃんが席を外した時に「さっきのウケたよね~」なんて言い合うようになっていた。
“この子の独特のキャラにはついていけない、わたしたちには合わない”
今まで内心では思っていても、友達だからと口にするのを避けていたこと。
それが、ふとしたはずみで解禁された。
3人とも実は同じ気持ちだったことを知り、一種の連帯感が生まれて、3人で雪ちゃんの話をするのが楽しくなっていた。
雪ちゃん抜きで3人でいる方が楽しいと感じるようになっていた。
夏希ちゃんも、お昼休みや休み時間を理系クラスの友達と過ごすようになって、少しずつ5人の絆はゆるみ始めていた。
* * *
春花ちゃん、秋穂ちゃんとの3人での居心地がよくなってしまったことで、わたしたちは日に日にある気持ちが強くなっていた。
“雪ちゃんと離れたい”―。
特に、中学時代から雪ちゃんと仲良くなり、一番つきあいの長い秋穂ちゃんは、その気持ちが強かった。