あきらめないで、生きること。
秋穂ちゃんは、わたしや春花ちゃん以上に雪ちゃんの独特のキャラに振り回されていて、ストレスがたまっているようだった。
「どうしようか?」
「もうそろそろ限界だよね…」
そして、5月のある日。
ついに、わたしたちは雪ちゃんと話し合う決断をした。
昼休み、食堂にいつも通り4人で集まった。
どう切り出そうか。
3人で目配せして、少しの間沈黙が続いた。
さすがに、いつもと様子が違うことに気づいた雪ちゃんが「どうしたの?」と訊いてきた。
「あのね…」
わたしは遠慮がちに口を開いた。
「最近ちょっと雪ちゃんとは考え方とか合わない部分があって…」
「そっか、わかった。気をつけるようにするわ」
雪ちゃんが、そんなに気にした様子もなく明るく言う。
「いや、気をつけるとかそういう問題じゃなくて……」
やっぱり雪ちゃんには理解できてないんだ。
「その…雪ちゃんとは性格的に合わないっていうか…」
わたしは言葉を選んで慎重に話した。