あきらめないで、生きること。
春花ちゃんにも絶縁を態度で示された雪ちゃんは、最後の砦というように同じクラスのわたしに頼ってくるようになった。
雪ちゃんと離れたいという気持ちはあるものの、グループからひとりだけ外される辛さを知っているわたしは、雪ちゃんを完全に突き放すことが出来ずにいた。
突然友達から突き放されてショックな雪ちゃんの気持ちは、痛いほどよくわかる。
でも、雪ちゃんの幼くてすぐに人を頼るところや、空気の読めないところ、独特のキャラにつきあうのに疲れて、離れたいと思ういっちゃんや秋穂ちゃんの気持ちもよくわかる。
どちらの立場もわかるだけに、両方の気持ちに引っ張られて、わたしは心の中でひとり葛藤していた。
わたしは、ひとりでお弁当を食べる辛さや、休み時間や授業で孤立する辛さを身をもって経験している。
雪ちゃんに同じ思いを味わわせたくない。
同じ痛みを知っているのに、自分の立場を守るために同じ目に遭わせるような人になりたくない。