あきらめないで、生きること。
お祖母ちゃんは学校の雰囲気をとても気に入って、「いい学校じゃないの。合格出来るように頑張りなさい」と言ってくれた。
家族はみんなこの学校を受験することに大賛成だった。
夏休み最後の日、秋穂ちゃんからメールが来た。
【明日から学校だね。萌ちゃん、体育祭の係で雪ちゃんと一緒だけど大丈夫?】
【大丈夫だと思うよ。普通のクラスメートとして接すればいいことだし】
わたしは、クラスの係で雪ちゃんと同じ体育祭の鈴割係になっていた。
3年生になってすぐに決めたから、当然の様に友達として一緒の係を選んだ。
あの時はこんなことになるとは思っていなかったな。
でも、一緒の係である以上は、普通にクラスメートとして接するようにしようと思っていた。
雪ちゃんと離れたかわりに、秋穂ちゃんとの仲は去年より深まっていた。
明日から、また学校が始まる。
いよいよ、受験も始まる。
この時は、まだ受験が私達にとって大きな波になるなんて思っていなかった。