あきらめないで、生きること。

涙と笑顔の学院祭


夏休みが明けると、文化祭と体育祭の準備に追われる毎日。

今年は高校生活最後の学祭だから、いつも以上にみんなが張り切っている。

そして、文化祭が終わるとすぐに体育祭。

体育祭は、3年生のダンスと鈴割が毎年の見せ場。

特に、扇子を使って制服のスカートを着て踊るダンスは、緑野女子の体育祭の伝統だ。

3年生になるとすぐ体育の授業で練習が始まっていた。

そしてもうひとつの見せ場が鈴割。

クラスごとに中に垂れ幕を入れた鈴を作って玉入れの玉を投げて割る出し物。

わたしと雪ちゃん、春花ちゃんと秋穂ちゃんでそれぞれ鈴割の係になっていた。

放課後に残って鈴作りをすることになっているけど、さすがに受験が近づいてきて、塾や予備校に通う人が増え始めて残ってくれる人は少なくてなかなか進まない。

人数が少ない中で鈴作りをしていたある日。

雪ちゃんとは同じ係のクラスメートとして接していたつもりだったけど、ふとしたことから秋穂ちゃん達と離れることになった時の話になった。
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