あきらめないで、生きること。

旅立ちの日に


3月2日。

今日、わたしは緑野女子学院を卒業する。

いまいち卒業を実感できずにいるけれど。

卒業式の会場は、学校から20分くらい歩いたところにある市民会館。

会場までの道を、春花ちゃん、秋穂ちゃんと3人で歩いた。

こんな風に制服で一緒にいられるのも今日で最後だ。

会場に着いてクラスごとに並んで、いよいよ卒業式が始まった。

みんなで、この学校ではお馴染みの仏教歌を歌い、校歌を歌う。

クラスごとに担任が一人ずつ名前を呼ぶ。

知ってる子、知らない子、仲良くなった子、離れてしまった子、苦手だった子。

もう、この中のほとんどの子達とは会わなくなるだろう。

わたしのクラスの番になり、自分の名前が呼ばれるのをドキドキしながら待っていた。

「高村 萌」

「はい」

大きな声で返事をして立ち上がる。

卒業式は厳粛な雰囲気の中無事に終わった。

式が終わって学校に戻ると、今度は食堂でお別れの会。

クラスごとに用意されたお弁当を食べながら、みんなで乾杯して歓談。
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