あきらめないで、生きること。
同じ県内に住む叔母さん家族とも仲が良くて、3歳上の従姉とは姉妹同然のように過ごしていた。
だから、父親がいないということはわたしにとっては大変なことではなかった。
お父さんがいなくてお母さんがかわりに働いているから、あまりお母さんに会えないのは仕方ないということも、子供心になんとなくわかっていた。
それでも、“普通の家庭とは違う”ということは、全く気にならないと言えばウソになる。
片親だからという理由でいじめられたことはなかったけれど、陰口や悪口を言われたことはたくさんあった。
ある程度仲良くなった子がいても、別の子から、「あの子、萌ちゃんの悪口言ってたよ」と言われたり、ほとんど話したことがないのに、好意的ではない視線を向けられたり。そんな状態は、小学校を卒業するまで続いた。
お母さんはわたしに中学受験させようとしていたけれど、遠くまで通うのは大変だし、ほとんどの子が地元の公立中学に進学するなかで私立中学の受験をしたら、またみんなの反感をかってしまう。