あきらめないで、生きること。

最悪の林間学校


林間学校当日。

わたしは、重い心と体を引きずるように学校へ向かった。

今日が来ることが嫌で嫌で仕方なかった。

だけど、今週末にはGLAYのライブがある。

これが終わればライブに行けるんだから、乗り越えるしかないと自分に言い聞かせて、参加することにした。

バスで出発して間もなく、偶然にも週末に行くライブの会場が見えた。

ライブに行くための試練だと思って、頑張ろう。

絶対に何かイヤな事が起こるという予感を振り払うかのように、わたしは隣の席になった紺野さんに、 わざとハイテンションで話しかけ続けた。

途中でカラオケを始めて、誰が入れたのかGLAYの曲が流れた。

みんなわたしがファンだと知っているから、すぐわたしにマイクが渡ってきた。

カラオケは小さな頃から家族と行っていて大好きだけど、歌の上手さは全く自信がない。

「わたしはいいよ」と遠慮したけれど、結局歌うことになった。

でも、みんなのからかうような面白がっているような雰囲気にいたたまれなくなった。

もしかして、面白がってわざとわたしに歌わせたんじゃないか、とイヤな考えが浮かんだ。
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