あきらめないで、生きること。

「ひとりっ子だからわがままなんじゃない?」

「男に対しては態度変えそうだよね~」

「この前、高村さんに “髪染めてる?”って聞いたら “染めてないけど誰か何か言ってた?” ってしつこく聞いてきたよ~」

ちょっと、この状況はマズイ。

自分の悪口をここまでハッキリ聞いたことなんて初めてだった。

あまりにもショックで、布団の中で必死に涙をこらえていた。

こんなに彼女達の怒りをかってしまったのは、わたしの昨日のわがままな発言が原因なんだ。

謝るしかない!

勇気を振り絞って、わたしは起きて障子を開けて彼女たちに話しかけた。

「さっきから話聞いちゃってたんだけど。昨日の事、 本当にごめん。でも、いくらなんでもそこまで悪口を言うのはないんじゃないかな……」

今にも泣き出しそうな声でうつむきながら言ったわたし。

「はぁ!? 今さら何言ってんの? あんたのせいでうちら昨日マジ眠れなかったんだけど!」
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