あきらめないで、生きること。

でも、わたしにとっては、どんな席でも参加できるだけで最高に嬉しい。

この日を励みに林間学校を頑張ってきたんだから。

でも、期待感や楽しみと同時に、“あと少しで夢が終わってしまう”という寂しさも感じていた。

今すぐにでも始まってほしいのに、このまま始まらないでほしいような…複雑な気持ち。

ライブが始まってしまったら、あとは終わるのを待つだけだから。

時間は決して止まらないし、後にも戻れないんだ。

しばらく場内の様子を見ていたらついに開演時間になり 、待ちに待ったライブがスタートした。

会場は最初から盛り上がっていた。

天井には天然の青空、時々吹く気持ちのいい風、夏独特の空気のにおい。

これこそまさに野外ライブの醍醐味だ。

アンコールの待ち時間には、自然にスタンド席でウェーブが起き、何度も何度も繰り返された。

“ライブを盛り上げよう”というファンのみんなの気持ちがひとつになった瞬間。
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