あきらめないで、生きること。
ぼっちの文化祭
文化祭が翌々日に迫った放課後。
いよいよ当日が近づいて、みんな教室に残って準備を進めていた。
わたしはみんなから外されることがわかっていたから、あまり放課後に残って手伝いをしていなかった。
この日も少しだけ残ってさりげなく帰ろうとしたんだけど、偶然にも昇降口で黒沢さんグループの子に会ってしまった。
「高村さん、今日用事あるの?」と尋ねられ、「ないけどクラスの中にいたくないから帰る」とはさすがに言えずになんて言おうか迷っていたら、残って手伝ってほしいとお願いするような口調で言われた。
向こうからそう言ってくれてるなら、もしかしたらクラスの中に戻れるチャンスかもしれないとかすかな希望を持ってわたしは手伝うことを決めた。
でも、わたしが教室に入った瞬間、それまで騒がしかった教室が一瞬にして静まり返った。
なんとも言えないイヤな空気が教室中に流れる。
戸惑うわたしの耳に、追い打ちをかけるような言葉が飛び込んできた。