あきらめないで、生きること。
体育祭と心の叫び
体育祭当日。
登校拒否は1日だけと決めていたから、わたしは前日の辛さを引きずりながらも学校へ向かった。
わたしは用具係という体育祭の中でも一番大変な係で、朝5時起きで学校に行って準備しなければいけない。
本番中も係の仕事で慌ただしく、応援席で過ごす時間はあまりなかった。
独りで過ごすことが辛かったわたしにとっては、かえって係の仕事に集中することで気を紛らわすことができて良かったけど。
そして、体育祭が終わった後も用具の片付けや確認でかなり時間がかかった。
1年生は最後まで仕事があったけど、同じ係の紺野さんはいつの間にか先に教室へ戻ってしまった。
結局わたしひとりでクラスの仕事をして、教室に戻ったのはクラスの中で一番最後。
体力的にも精神的にもヘトヘトで自分の席に戻ると、机の上に小さな塊が入ってるビニール袋が置いてあった。
茶色くて丸くて小さな塊が見えて、パッと見たところ、梅干しの種のようだった。