あきらめないで、生きること。

不思議に思っていたら そのなかの数人がわたしの席に来て、

「萌ちゃん、教育実習の先生が作ってくれたクッキー 捨てちゃったの!?」

怒ったように強い口調で言った。

話を聞くと、さっきわたしが梅干の種だと思っていたものは、教育実習の先生が作ってくれたクッキーだったらしい。

でも、わたしが席に着いたとき、クッキーが配られていることなんて誰も教えてくれなかった。

わたしはあまりにも疲れていて、色や大きさから完全に梅干の種だと思い込んでしまった。

そう伝えても、彼女たちは「梅干の種なんか置いてあるわけないじゃん!」とわたしを責めるばかり。

みんなから見れば、わたしは “人が作ってくれたものをわざと捨てた最低な子” になっているんだ。

でも、わたしには本当にクッキーではなくゴミに見えてしまったんだ。
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