あきらめないで、生きること。

祖母の存在の大きさ


長い長い毎日を必死に過ごして、季節は冬に変わった。

期末テストを終えて訪れた試験明け休み。

束の間の休息に、一気に体の力が抜ける。

ずっと張りつめてた心を和らげられる時間。

2学期最後の日、無事に終業式を終えてお昼過ぎに家に帰った。

明日から冬休みが始まる。

短い休みでも、疲れ果てた心を休ませられるのは嬉しい。

部屋でのんびり過ごして、夕方に1階へ下りると、お祖母ちゃんが和室で横になっていた。

寝ているのかなと思って近づいてみたら、何か様子が違う。

顔は苦痛にゆがみ、体が痙攣したように震えている。

「お祖母ちゃん、どうしたの!?  大丈夫!?」

わたしが体を揺すると、お祖母ちゃんは絞り出すような声で「…お腹…痛い…」と呟いた。

わたしは慌てて2階の部屋にいたお祖父ちゃんを呼んで、車で病院に連れて行ってもらった。

家で待っている間、気が気じゃなかった。

盲腸は手術済みと聞いたし、風邪とは症状が違う。

考えたくないけど……まさか命にかかわる病気だったりしないよね?

しばらくして、ふたりが病院から帰ってきた。
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