あきらめないで、生きること。
誰のグループにも入れず、たったひとりで発表をすることになってしまった。
楽器も弾けない、人前で堂々と歌える歌唱力もないわたしは、何をしようか真剣に悩んだ。
悩んだ末、GLAYの曲をリコーダーで吹くことにした。
2月末の発表の日。
みんなグループで歌ったり楽器を演奏する中で、ついにわたしの番が来た。
ひとりで発表するのはわたしだけだから、余計に目立つ。
中学時代演劇部だったから、人前で何かする度胸はついているはずだったけど、黒沢さんと仲の良い子たちが冷やかすような目で見ているのに気づいて、足がすくむ。
演奏を始めたものの、緊張で指は震え、足も震え、何度もミスって演奏は最悪だった。
終わった瞬間、悔しさなのか終わった安心感なのか、涙が溢れてきた。
必死に涙をこらえて席に戻り、授業を終えた。
授業が終わって教室に戻ると、佐倉さんグループの子達が早速黒沢さんの所に行って何か話していた。