あきらめないで、生きること。

勝敗の行方


充実感と達成感に包まれて、修了式の日が来た。

今日で、このクラスとはお別れ。

やっと、長かった闘いが終わる。

朝のホームルームのあと、修了式の前に掃除をすることなっていて、それぞれ班ごとに掃除を始めた。

わたしの班はトイレ掃除。

掃除をしていたら突然、立川さんがテストの順位を訊いてきた。

この時のわたしは、1位をとってあれだけ喜んでいたのに、なぜか自分が1位だということをすっかり忘れていた。

掃除が終わったあとも、立川さんはクラス1位が気になるようで、色んな人に「1位誰?」と聞き回っていた。

彼女はクラスの中でも、成績が良い子として知られていた。

もしかしたら、今までずっと1位をとっていたのかもしれない。

それが今回は1位じゃなくて、誰が1位をとったか気になっていたのかもしれない。

修了式のため、体育館に行ってクラスの席で始まるまで待ってる間も、周りの人に「誰?誰?」と聞いていた。

「高村さん、学年順位何位だった?」

立川さんに改めて訊かれて学年順位を答えると、「マジで!? やっぱり高村さんが1位か」と言われた。
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