あきらめないで、生きること。
そのあと、わたしの近くの席で立川さんの言葉を聞いたらしい真野さんが口を開いた。
「クラス1位とクラス最下位がこんな近い席なんて滑稽だな」
自嘲気味に言ったその言葉は、まるで負けを認めるような言い方だった。
真野さんは、単位が足りず留年が決まっていた。
そして、緑野女子で留年せず退学して別の高校に転校することになったらしい。
なんだか不思議な気分だった。
もしわたしがあのままクラスでの辛さに負けていたら、わたしが学校を退学していたかもしれないから。
修了式を終えたあとの、最後のホームルーム。
先生の話のあとに、みんなで合唱祭の発表曲を歌った。
歌いながら、泣いている子もいた。
このクラスのメンバーと別れるのが寂しいのか、感動しているのか。
一方でわたしは、絶対泣かないと思っていた。
あれだけ傷ついて、「みんなと離れるのは寂しい」なんて正直思えなかったし、1日でも早くこのクラスを出たかったから。