あきらめないで、生きること。
「じゃあ、わたしはそろそろ帰るね」
ひとしきり話した後、わたしは立ち上がった。
「そっか。また、新学期にね」
「うん、またね」
久しぶりにお互い笑顔で話せた。
様々な思いを胸に、わたしは教室を出た。
帰りの電車の中で、2学期にずっと聴いていた楽曲を聴いた。
最後の歌詞は、“生きることは辛いな”。
そう、生きることは時としてとても辛くて。
でも、楽しい時だってある。
決して楽しいとは言えなかった1年だったけど。
でも、欠点を指摘されて自分と向き合うことができた。
逆境の中で立ち向かう強さを学んだ。
努力すれば、結果が自分に返ってくることを学んだ。
だから、わたしにとってはきっと意味のある1年だったんだ。
生きることは辛いけど、あきらめなければ、いつか光が射す。
2年生になったら、今度こそ楽しい高校生活が送れるように。
もう一度、新しいわたしになろう―。