あきらめないで、生きること。
最初に話したのはわたし。
父親がいないこと。母親の仕事のこと。そして、去年のこと。
春花ちゃんは、去年クラスに馴染めず、わたしと同じようにひとりで辛かったことを話してくれた。
雪ちゃんは、生まれつき発作が起きる持病があり、薬を飲まないと発作を起こしてしまうことや、中学時代から病気が主な原因でいじめにあっていたことを話してくれた。
夏希ちゃんは、わたしと同じように両親が離婚し、父親がいなくて祖父母と暮らしていること、そしてお母さんが亡くなってしまったことを話してくれた。
秋穂ちゃんは、家が古本屋さんの仕事をしていることを話してくれた。
みんなの話を聞いて、わたしは初めて人それぞれの人生があることを実感した。
自分が今までいかに狭い世界しか知らなかったかを思い知った。
辛い思いをしているのはわたしだけじゃない。