一センチと一秒


「もしもし、美香?」

『もしもし?ごめん、もしかして彼と一緒だった?』

「いや、大丈夫。」

『ねぇ、今から行ってもいい?』

・・・だと思った。

「いいよ。ついたら電話して。」


『へへへ。実は今、部屋の前♪』

「・・・まったく。」

大きく一回ため息をつくと、よいしょという掛け声とともに立ち上がる。

『きゃ~寒かったぁ!!!』

「はいはい。とりあえず電話切って。いたなら声かけてよね。なんでいったりきたりしなきゃいけないのよ。」

「だってぇ~とりあえず聞いてからじゃないと。ねぇ?」

だめって言ったってくるくせに・・・。

「まあいいや。入って。ココアでいいんでしょう?」

「うん♪」

私は、美香専用のカップを出してきて、ココアを入れるためにキッチンに入った。

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