一センチと一秒
私の気持ち?
-ガチャッ
鍵を閉めて、チェーンをかける。
はぁっ。 大きくひとつため息をついて伸びをした。
今やっとあの二人を送り出したところ。
なんだか、人の家で絆を深めて帰っていったようで、コーヒーも、いつもより長い時間入れさせられた。
兄貴は「濃っ!」とむせていたけど、それは自分のせいでしょうが!と、残すことなんて許さなかった。
嵐が去った私の部屋はいつもよりすごく静かで、急に寂しくなった。
彼からの連絡はまだない。
私の携帯の待受けは彼の写真。
みんなは、今時、見てるほうがはずかしいというけど、わたしは彼の笑顔に元気をもらうのだ。
データフォルダをあけて彼の写真を見ていく。
一緒に旅行に行った時、大喧嘩をして彼を泣かせてしまったときの泣き顔、そのほかにも夜に会えなくて寂しいという私のために大嫌いな自分撮りをしてくれたものもある。
急に彼に会いたくなった。