一センチと一秒

すぐにメールが帰ってきた。


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キムチとトマトの冷製パスタ
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いつもと同じそっけないメールに自然と笑みがこぼれた。


このパスタは最近の彼のお気に入りだ。


一度ネットで見てためしに作ってみたら結構おいしくて、辛い物好きの彼にはヒットだったみたい。


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わかった。
他に買ってきてほしいものあったら言ってね。
デザートとか、お菓子とか。
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ピロリロリン~

あれ?また早い?どうしたのかな?


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ううん、ゆかが早く来てくれればいいよ。
早く会いたい。
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どうしたんだろう。彼はこういう表現がすごく苦手なのに。

本当に辛いときしか、こういうメールは送ってこない。

心配になってメール作成画面に入ると、また



ピロリロリン~


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うそ。ごめん。
できれば桃缶と、新しく出た辛いスナック菓子がほしいな。
じゃあ後で。
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そういわれてしまうとメールは返せない。

彼にも自分の時間が必要だし、きっとそれまで何かすることがあるんだろう。


とりあえず心配なので急いで着替えて、家を出ることにした。







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