一センチと一秒
「いや、いいよ。無理して一緒にいる必要ないじゃん。」
・・・怒ってる。
「ねぇ、怒ったの?いいたい事あるなら言ってよ。」
「・・・・・・」
「ねぇってば!」
「言いたいことあんのはお前じゃねぇの?」
「え?」
「俺に不満があるんじゃないの?それともなに?好きなやつができたとか?」
「違っ、そんなんじゃ・・・」
「ごめん。ゆか、今日は帰って」
「でも・・・」
「・・・頼む。お前にこれ以上ひどいこと言いたくないんだ。」
そう言ってソファーにどさっと倒れこんだ。
頭を抱えて俯く彼に何も言えずに、私はそっと部屋を出た。