好きな人♡
「私も帰る。ごめんねバイト前に……」

私も立ち上がろうとした。

涙がゆっくりと頬を伝う。

「今日、やっぱ休む」

瑠依は突然スマホを取り出し、電話かけようとした。

「え、いいよそんな……行ってよ」

私は瑠依に言った。

「……」

「こんな失恋なんかに……付き合ってらんないよ」

私はそう言いながらまた、涙が溢れる。

何でこんなに弱いんだろう。

瑠依に頼りすぎなんだ。

泣かないように必死にこらえる。

瑠依にバイト休んでもらうなんてダメだ。

私はとぼとぼ歩きだす。

視界が前髪が短くなったぶん広くなった。

「瑠依バイト行って」

私は強めに言った。

「大丈夫?」

「うん」

強がって言った。
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