好きな人♡
「まだ持つよ、賞味期限」

「瑠依が食べて」

私は箱からスプーンを取り出して瑠依に渡した。

「わかった。あーマジ腹減った〜後悔すんなよ」

瑠依は顔全体で、美味しさを表しながら食べ始めた。

何度このプリンを一緒に食べただろう。

瑠依の口元にカラメルソースがついた。

「瑠依ついてるよ、ここ」

と言ってみるが、なかなかピンポイントでとれない。

私が人差し指でそれを拭った。

瑠依は幸せそうに微笑んだ。

子供の頃から何度かこうゆうやり取りをしてきた。

カラメルソースとプリンが絶妙で。

このプリンが一番好きだ。

このプリンに代わるものは他にないと思う。

「はい、口開けて」

瑠依はまるでお母さんかのように、口を開けながら、
私の口元にプリンを運ぶ。

「お母さんみたい」

笑って言った。

「何それ」

そう言いながら瑠依は待つ。

私は口を開けた。




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