好きな人♡
滑らかでこれの代わりはない。美味しい。

少女漫画とかだったら、間接キス――ドキッみたいなシーンだよね。

私にはそんな感情はない。

子供の頃から変わらない。

「美味しいもの食べると、こんな状態でも一瞬幸せになれるね」

瑠依といるからかもしれない。

一人だったらきっと違った。

涙で瑠依の顔が滲んでくる。

瑠依はそっと見守る。

「春弥カッコ良かった。あんなカッコいい彼氏もう出来ないだろうな」

「世の中もっと優しい奴いると思うよ」

「そうかもね……」

「次は外見じゃなくて、もう少し中身が気が合う奴とか好きになったらいいじゃん」

「うん」

春弥の話をしてももう、どうにもならないことは何となくわかってきた。

一緒にいても春弥とは先へは進めない。

大好きなはずなのに突き飛ばすほど…。

だから一緒にはいられない。

もう少し怖がらないで、怯えないでいられたら良かった。

そうすれば一緒にいられた…一緒にいたかった…

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