好きな人♡
「瑠依は好きな人は?」

「あーそんなんいない」

手を振って完全否定。

「いっつもそうだよね。結構告られてるんだから、付き合ってみたらいいのに」

ちょっとがっかりした。

恋バナしたかった。

気が紛れるかと思って。

「めんどくせーじゃん」

頭をかきながら言った。

「傷ついたりね」

「ま、何となくならいるかも」

「え?初めて聞いたどんな子?」

私は驚いて聞き返した。

いつも私の恋バナばっかり。

「片思いだから……絶対届かない存在」

瑠依は悲しそうな顔をした。

いつも適当にしか答えてくれなかった。

今回は割とちゃんと答えてる。

「全面協力するっ!!」

私は力強く言った。

瑠依には幸せになってほしい。

心底悲しかったのに、急に力が湧いてきた。
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