好きな人♡
「誰だれダレ、だれ?」

「ま―まー」

そう言って、雑誌を広げ始めた。

女子の雑誌なんだけど。

「なんだぁ―つまんない。ってかショックかも。こんな長い付き合いなのに教えてくれないなんて」

ガックリと力が抜けた。

「学校?バイト先?あ、良く見かける子とか?」

「ま―どうでも良くね?」

そういうと雑誌に視線を落とす。

「告白とかは?」

「え?そんなん考えたことない」

雑誌を見つめたまま瑠依は言った。

「何で?」

「敵わないってわかってるから。告白なんかして終わりにしたくない……大事なんだ。その子に笑ってて欲しいそれだけ」

雑誌をパラパラとめくる。

女子の髪型の研究ができるらしい。

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