好きな人♡
しばらくして

「ごめん……ほんと……」

そう言って瑠依は私から離れた。

告白の時も……私は瑠依に謝られてばっかりだ。

「ほんとごめん調子に乗りすぎた」

「……」

私は何も言えなくなってた。

今の感情を表現できなくて。

「この間は何も求めてない。

そう言ったけど、やっぱり告ってから気持ちがどんどん溢れてきて……

今までは朱里のそばにいたいから、どんなことをしてでも気持ちを押し殺してきた。

けど、春弥と朱里が付き合って、本当に後悔して。

自分の気持ち隠して……頑張れって……朱里が笑ってくれればいい幸せならそれでいい。

それだけだった。

でもさ、前に朱里に好きな人の相談した時に告らなかったら、違う人のところへ行っちゃうよって朱里に言われて、そうだなと思った。

俺が告白したら朱里は困るし、迷惑かけるってわかってた。

でもこのまま一生言わなかったら後悔するって思った」

「ありがとう。そんなに想ってくれてたんだね。

けど、そんな大事な気持ちに今は応えられない」

私の知らなかった瑠依の部分。

心に瑠依の声が響く。

私の心に瑠依の想いが、沁み込んでいく気がした。

だけど、ずっと好きでいてくれた瑠依の気持ちと、私の気持ちでは釣り合わない。

「重いな……マジで」

瑠依はそうつぶやいた。


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