好きな人♡
「花火大会に行かない?みんなで。朋と樹と」

勇気を振り絞る。

「あ、行きたいけど…バイト入ってて、早く帰れたら」

瑠依は困った様子だった。

「そっか、じゃ来れたらで」

私は言った。

「写真撮っていい?」

ためらいながら、瑠依に言った。

もしかしたら、もう浴衣を着たシルバーヘアの瑠依を写真撮ることはないかもしれない。

来年もお互い別々で来るかもしれない。

一枚でいい好きになった瑠依の写真が欲しい。

「俺だけ?一人?」

「うん」

「なら、一緒に写ろうよ」

と瑠依は言った。

「私はいいよ……」

私が瑠依の写真欲しいだけだし。

「いいから!!」

と言って瑠依は私の肩を引き寄せた。

びっくりした!!


「一番いい顔しようよ!どうせなら」

昔から瑠依はそう言って写真を撮っていた。

「いくよ――」

と瑠依がシャッターを切った。

「撮れたかな?」

瑠依はスマホの画面をチェックして見せてくれた。

「完璧じゃん。ナイスショット!」

二人共満面の笑みを浮かべている。

大好きな瑠依の隣にいられて嬉しい。

そういう私の笑顔だった。

瑠依も今までで一番楽しそうな笑顔だった。

いい想い出の写真が残せた。




朋は花火大会で告白する、とラインがきた。

澪の存在といい、私もやっぱり告白したほうがいいのかも。

このままじゃ、完全に取られちゃう。

けど、私が瑠依のことちゃんと好きで、傷つけないでいられるんだろうか?瑠依の気持ちもわからない。
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