3分でわかる学校の不思議なウワサ
「せ……せんせ?」

阿賀の笑い声は止まず、すぐにマスクから血があふれ出し、ポタポタとシーツも血に染まる。

「あ……っ…ぁあ……」

「実は昨日、切りすぎちゃって」

「素敵な髪ですね……ぼ、ぼぼ、僕、もう……行かな、いと」

「ダメよ」

身の危険を感じた雅紀が立ち上がろうとするが、阿賀が素早く雅紀の手首を掴むと、男並みの腕力で強引にベッドに座り直らせた。

「切ったのは髪じゃないわ……これ見て」

「え……いや……っ」

恐怖で顎をガクガクとさせている雅紀にむかって、阿賀は血まみれのマスクをゆっくりとはずす。

すると、耳の付け根までざっくりと裂かれた口元があらわになった。
さっきあんなに笑ったからだろう。裂けた口の端からは血があふれ出しており、さらに口の中は人間とは到底思えない、獣のように尖った歯が無数にならんでいる。

雅紀の顔が一瞬で凍り付き、とてつもない恐怖から呼吸が浅くなる。

「どう? 私、綺麗?」

「……そ、それ………」

「ねぇ、本当のこと言って?」

雅紀は顔面蒼白の顔で頷くと、声を絞り出した。

「き、綺麗で……す」

雅紀の掠れた声に阿賀から笑顔が消えうせた。

「嘘つきは嫌い!! 大っ嫌い!!」

そう言うと、阿賀はポケットからハサミを取りだし雅紀の口元めがけて振り上げた。

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