3分でわかる学校の不思議なウワサ
「口裂け女って、あたしキレイ~のやつだろ。誰だよ、しょうもないウワサ流してるヤツ」

「まぁ最後まで聞けって」

裕介が神妙な顔をすると、雅紀に顔をぐっと近づけた。

「小春が言うにはさ、九月入ってすぐに同じクラスの男子が不登校になったらしくてさ。いまも入院してて退院の目途たってないらしい。どうも口まわりを三十針縫う大けがをしたらしいんだ」

「口まわり? なんでそんなとこ」

「放課後、口裂け女に会ったのが原因らしい」

「え?」

雅紀は眉間に皺を寄せた。

「小春のクラスLINEにその男子生徒から送られてきたらしい。放課後一人になるな、口裂け女に気をつけろって。あと絶対キレイっていうなって」

「ちょっと待てよ、キレイって言ったら助かるんじゃないのかよ」

「それがどうもこの学校に出る奴は違うらしい。小春が一人になるなって尋常じゃなくうるさいからさ」

「愛されてんね~」

「せっかくお前にも教えてやったのに」

「そりゃどうもご丁寧にのろけ話、ご馳走様」

「言ってろよ」

裕介が立ち上がり、雅紀もつられるようにして立ち上がった。

その時──雅紀に向かってバスケットボールが飛んでくると、見事に雅紀の後頭部に的中した。


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