3分でわかる学校の不思議なウワサ
阿賀は雅紀をベッドに座らせると、後頭部に手のひらを添えた。

「……っ」

「あ、ごめんなさい」

「あ、いや、先生の手って冷たいん……ですね」

「そうなの。冷え性だし、マスクもかかせなくって。乾燥してるでしょう?」

「で、ですね」

雅紀は阿賀の言葉に困惑しながらも頷いた。

九月とは言え、明日から雨が降ると言うこともあり蒸し暑く、乾燥とは真逆で空気は、じめっとしていて蒸し暑い。

(阿賀セン大丈夫かよ、こんな暑いのに)

雅紀はTシャツの袖で汗を拭うと、雅紀はふと阿賀のマスクを見て目を見開いた。

阿賀のマスクの端には血のようなものがついている。

「あら、どうしたの?」

「いえ、なんにも」

「私、嘘が大嫌いなの。言って?」

「あ、あの阿賀先生は美人だなー、なんて……」

雅紀がそう言って、ははっと引きつった笑顔を見せた瞬間、阿賀が雅紀を睨みつけた。

「言ったわよね、嘘が嫌いなの……マスクに血がついてるの知ってるんでしょ?」

「え! あ、そうなんですか? ……あの、インクとかかなって」

「インク? そんなわけないじゃない。それにさっきの話だけど今日はとても蒸し暑い。違う?」

「えぇっと、先生に言われたら、そのちょっと蒸し暑いような気もしてたけど、さっきは本当に僕もマスクしなきゃってくらい寒いし乾燥してるなって……」

「ふふふ……本当に嘘つきね……滑稽だわ! あはははははははっ」

阿賀はそう言うと大声で笑った。
すると阿賀のマスクがあっという間に血で真っ赤に染まる。
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